カウンセリング広報だより
第26回 夫婦の会話改善法 妻編(2010.3.1)
心理カウンセラー 中島美佐子
夫婦の会話にストレスを感じていませんか。男性と女性では会話能力などに違いがあり、すれ違ってしまうことも多いようです。夫婦で気持ちの良い会話を楽しめたらいいですね。
夫との会話が楽しくないと思ったら、まず自分の行動を振り返りましょう。相手を変えるより自分が変わった方がずっと簡単だからです。
まず、笑顔であいさつをしていますか。「おはよう」「行ってらっしゃい」「おかえりなさい」「ただいま」「おやすみ」。不機嫌な顔で、夫の顔をろくに見ないであいさつをしていたら要注意。妻の笑顔を見てうれしくない夫はいません。気持ちの良いあいさつが、気持ちの良い会話を作ります。
また、相手に依存しすぎていませんか。夫に対し期待があるのは当然ですが、この期待が大きすぎると思い通りにいかないときに失望し、相手を責めてしまうことになります。たとえば夫がいつも一緒にいてくれると期待すれば、仕事で遅く帰ってくるときに不満や寂しさを感じやすくなります。不満がたまると、ついイライラしてしまい、感謝の言葉も忘れがちで、夫に要求ばかり・・・なんてことにも。こうなると会話も楽しくなくなります。
それから大切なのは、「わたしメッセージ」です。「わたし+状況+こう感じる」の順で話すのがポイントです。たとえば、「あなたは治療に協力してくれない」というあなたメッセージをわたしメッセージに置き換えてみます。「もっと病院に一緒に行ってくれたら、心強い」と伝えるのです。この方が夫は妻の気持ちを理解しやすくなり、要求もすっと心に入ります。
恋人・夫婦仲相談所の二松まゆみさんは「相手に幸せにしてもらおうと思うより、相手を幸せにしてあげようと思うくらいがちょうどいい」と言っています。自分の中にある相手への「期待」をもう一度見直してみましょう。たまには夕ご飯に夫の好きなものばかりを並べて愚痴を聞いてあげるのも、いいかもしれません。相手への配慮や気配りがベースにあれば、自ずと会話も違ってきます。
いつも、100%でなくてもいいから、相手の立場に立った会話を心がけてみましょう。あなたはどんなふうに言葉をかけてもらえたらうれしいですか。あなたはそれを、ご主人にしているでしょうか。
参考文献 二松まゆみ(2008) 「夫婦仲がよくなるちょっとした習慣」 中経文庫