カウンセリング広報だより
第1回ストレスは妊娠を妨げる!?(2005.10.25)
心理カウンセラー 中島美佐子
「ストレスは妊娠に良くない」と思ったことはありませんか?ネガティブな考え方やストレスが、妊娠を妨げることがあるのでしょうか。
生活していれば、何かしらのストレスはあるものです。ストレスをゼロにするのはとても難しく、非現実的です。もちろん、リラックスできるほうが良いし、ストレスも少ないほうがいいし、気分転換もできたほうがいいと思います。
でも、「不妊」に悩んでいる人たちは、どうでしょうか。多くの人たちにとって、自分の存在を支えてくれる「子ども」は、人生の中で大きな役割を果たしているといえます。そう考えると、「子どもが欲しいのにできない」という現実はフラストレーションを引き起こし、挫折の経験にもなります。
そんなとき、「そんなに悩んでいると妊娠しないよ。リラックスしたら?」と誰かに言われたら・・・。 「不妊」で苦しい思いをするだけではなく、「苦しんでること」をやめろと言われているのです。これでは八方ふさがりですね。
ストレスは不妊の「原因」ではなく、不妊に直面した「結果」にすぎません。悩んでいるときに「悩んでいるのが悪い」と言われたら、余計に苦しくなるだけです。
ストレスが自律神経に作用し、ひどくなると胃に穴が開いたりします。また、ある行動パターンが心疾患の危険因子になることもあります。ですから、「妊娠」と気持ちの問題は無関係、とは言い切れないかもしれません。ただ、ストレスと妊娠について研究している人はいても、今のところ明白な因果関係を発見できてはいないのです。
「不妊」を抱える人たちを悩ましているのはストレスそのものというよりはむしろ、「ストレスは妊娠に悪い」という、はっきりとした根拠のない思い込みではないでしょうか。
「ストレス」を抱えるだけでも大変なのに、「ストレスが妊娠に良くない」という思いこみで、さらに自分を苦しめてしまっては、悪循環です。根拠のないことで、悩んでほしくはありません。