カウンセリング広報だより
第2回 カウンセリングの役割(2005.12.1)
心理カウンセラー 中島美佐子
「カウンセリング」と聞くと、どんな感じがしますか?「心を病んだ人が行くもの」と思っていませんか。でも、実際は、カウンセリングは「健康な」人のためのものでもあるのです。
まず、カウンセリングで、部屋や時間が決まっているのには、理由があります。人は、限られ保護された空間だからこそ自由になることができ、自分の心と向き合えるようになるのです。
カウンセリングは「相談」とは少し違います。カウンセラーがアドバイスをすることは少なく、クライエント(患者さんのことをこう呼びます)の話にひたすら耳を傾けます。アドバイスが必要ないのは、「答え」を見つけるのは、いつでもクライエント自身だと考えるからです。
話をし、誰かに一生懸命共感してもらい、気持ちを受け止めてもらうことが、自己肯定感を得ることにつながります。同時に、自分の考えを声に出して言うことで、気持ちと距離を置けるようになります。そうしたことが、気持ちの整理をつけるきっかけになるのです。
たとえば、ご主人には、めそめそした顔を見せられない、友人には打ち明けにくい、と一人で悩みを抱えてしまうことがあるかもしれません。また、後ろ向きの自分に対して、自己嫌悪に陥ってしまう・・・。
そんなときに、カウンセリングを思い出してください。カウンセラーは、あなたの夫でも、親でも、友達でも、職場の同僚や先輩でも、担当医でもありません。利害関係がまったくないのですから、何を言ってもかまわないのです。
人の話を聞くときは、つい励ましたり、答えを急いだりしてしまいますが、カウンセラーは、まずあなたの気持ちを受け止めます。だから、がんばれない気持ちにも付き合うことができます。たとえネガティブな気持ちであっても、表現してみることは大切です。
時には、迷ったり、傷ついたり、落ち込んだりして立ち止まることがあっても、いいのではないでしょうか。そんなときは、先を急がずに、自分の心と向き合うことも必要です。カウンセリングも気軽な気持ちで、うまく利用してみてください。