カウンセリング広報だより
第17回 妻の愚痴に困ったら・・・(2008・6・1)
心理カウンセラー 中島美佐子
カウンセリングでご夫婦のお話を聞いてみると、それぞれがしばしば正反対のことを主張することがあります。
たとえば、夫は物事を前向きに受け入れていこうと考えるのに、妻の方は心配しがちで治療のつらさを夫にしきりに訴える。「注射が痛い」「通院が大変」「副作用が心配」などなど。そんな妻の愚痴を聞かされて夫はイライラして、つい「治療をやめよう」と決断を急いだり、「悩んでいても仕方ない、がんばろう」と励ましたり。そう言われた妻は「聞いてくれない」と怒る・・・。
夫の言う、「悩んでいても治療はするのだから愚痴は無駄」という考えは正論です。一方で、妻のように、分かっていても気持ちがついていかないときは誰にでもあります。やめたいわけではないけれど、つらい。先のことを考えすぎてもよくないと分かるけれど、どうなるのか心配。こんなふうに立ち止まってしまうことはよくあることです。
「また愚痴を言っているよ・・・」とうんざりしてしまったご主人は多いのではないでしょうか。こんなとき、どうしたらよいでしょう。
相手の話を聞けるようになるためには、まず自分の話を聞いてもらわなければなりません。「聞きたくない」気持ちを、カウンセリングなどで十分話すことが必要なのです。そうすることで、相手の話を聞けるようになるかもしれないのです。
話を聞けるようになると、今まで分かってもらおうと一生懸命訴えていた話し手も「聞いてもらえた」と安心しますので、訴えそのものが減ります。相手の訴えが減ったら、聞くことが苦痛でなくなる。二人とも楽になれます。
「心配ばかりする」のも「愚痴を聞きたくない」のも同じように心の余裕のなさから生じる問題かもしれません。そして、どちらもつらいことです。そのことを、カウンセリングで話してみませんか。
男性は、奥さんの話を聞くのが面倒だと感じたら、「聞きたくない気持ち」を誰かに話してみてください。だんだん奥さんの訴えが減っていくように感じるかもしれません。