カウンセリング広報だより
第5回 頑張れないときはどうする?(2006.6.1)
心理カウンセラー 中島美佐子
不妊治療は、女性に負担のかかる治療のようです。男性に比べると、通院回数が多く、体への負担も大きいといえます。
最近では、男性不妊も明らかになってきました。それでも、まだまだ不妊は「女性が原因」といった偏見があるのは否めません。妊娠も出産も女性の役目なので、責任を負うことは避けられないようです。もちろん、男性が悩んでいないというわけではありませんが、身体的にも精神的にも、傷つきやすい立場にいるのは女性なのかもしれません。
妊娠を望んでいるのに、生理がきてしまう。そのたびにショックを受け、毎月のように悲しい気持ちになります。体外受精で、痛い注射を我慢し、毎日病院に通い、費用をかけても結果が出ない。期待したぶんだけ、落ち込みも大きくなります。
「前向きに明るくがんばりたい」。多くの人がそう願います。もちろん、不妊治療は赤ちゃんに来てもらうための、夫婦二人の大切なものですから、希望をもってやってほしいと思います。でも、365日24時間前向きで、100%希望にあふれている人など、いるでしょうか。
不安、心配、迷い、ストレス、プレッシャー、自信喪失・・・。さまざまなものがつきまとう治療だからこそ、毎日同じように前向きな気持ちでいることは、大変です。
落ち込んでもいいのだと思います。がんばれない自分も、大切な自分です。「くよくよと考えてしまう」「夫に八つ当たりしてしまう」「何もかもがいや」「不安だ」・・・。そんなときがあっても、少しもおかしくありません。
「いつも前向きでなければならない」のではなく、「前向きにがんばれるのにこしたことはないが、たまにはがんばれなくても良いのだ」と考えたら、どうでしょうか。
時々愚痴を言ったり、落ち込んだり、後ろ向きになったからといって、あなたの価値は変わりません。また、ネガティブな考え方が妊娠に悪影響を与えるという根拠はどこにもないのです。
がんばりすぎている人は、少しでも気持ちを吐き出す場を作ってほしいと思います。