カウンセリング広報だより
第19回 二人目不妊の悩み(2008・10・1)
心理カウンセラー 中島美佐子
一人目の子どもが生まれた後、二人目を望んでも妊娠できないでいる状態を「二人目不妊」といいます。さまざまな理由から、この二人目不妊のつらさは見過ごされています。
子どもができない人にとっては「一人いるからいいじゃない」となる。母親仲間からは「二人目はまだ?」「一人じゃかわいそう」などと言葉をかけられ傷つく。二人目不妊には、居場所がありません。
特に、出産経験があると周囲は「次もできるに決まっている」と考え、本人の意思で作らないと誤解を受けることも多いようです。また、母親仲間が次々と妊娠していくのを見るのもつらく、我が子に「赤ちゃんが欲しい」と言われてプレッシャーになり、きょうだいを作ってあげられない自分を責めたりします。
さらに、一人子どもがいるために、不妊治療の時に「そのうちできる」などと夫の協力を得にくいというのも、二人目不妊の女性を孤立させる要因の一つです。
ただ、「きょうだいがいたほうが幸せ」という考えは疑ってみる必要がありそうです。「一人っ子はわがままになる」などといったあまり根拠があるとは思えない考えから来る疑心暗鬼が、一人っ子の子どもや親を傷つけているのではないでしょうか。そのような偏見の目で見られていたら、子どもだって窮屈でしょう。その場合、子どもが窮屈に感じるのは偏見から来る疑心暗鬼のためであって、きょうだいがいないからではありません。だからこそ、「もう一人できれば」という思いにとらわれすぎて目の前の子どもを見失ってしまっていないか、少し考えてみる必要もあるかもしれません。
わたしたちにできることは、一人子どもがいるからといって次も簡単にできるわけではない、ということを知ることでしょう。出産後の体質変化や、精子の状態の悪化などで二人目ができないこともあるからです。中には、一人目を不妊治療で授かった人もいます。
何よりも、子どもがいてもいなくても子どもが一人でも二人でも、そのことについて他人が立ち入るべきではないという配慮が必要でしょう。それぞれの多様な生き方を尊重することこそが、大切なのだと思います。