カウンセリング広報だより
第18回 「ほめ言葉」の効用(2008・8・1)
心理カウンセラー 中島美佐子
人は親密になればなるほど相手をほめなくなる、と思いませんか。最近、ご主人のこと、奥様のこと、ほめましたか?
だって、ほめるところなんて一つもない・・・なんて思っていませんか。一緒にいる時間が長いほど、イヤな部分が目につくこともあるかもしれません。それでは、「小さな変化」はどうでしょう。髪型が変わった、部屋がいつもよりきれい、夕ご飯が昨日より一品多い、いつもより少し早く出勤する・・・など。その人のちょっとした努力に気づいたら「わたしは気づいたよ。頑張っているね」と伝えましょう。
それからほめるコツに、ものの見方を変える、というのがあります。一つの方向からしか見ていない事柄の枠組み(フレイム)を変えて、別の見方をするのです。それを心理学で「リフレイミング」といいます。
たとえば相手のことを、「細かいことを気にする神経質な人」という枠組みで見たとします。これをリフレイミングしてみると、神経質というのは一面的な見方に過ぎず、「几帳面」「丁寧」「仕事が正確」「細かい作業が得意」などということもできます。一つのものごとには良い面と悪い面の両方があるものです。少し努力をして、良い面を見るよう心がけます。そしてその「気づき」をほめ言葉として伝えるのです。
人はだれでも、だれかに認めてもらいたいと思うものです。とくに自分の好きな人や身近にいる人から認められたい。相手をほめるには、相手に関心を持ってよく観察する必要があります。だからこそ、ほめ言葉は「わたしはいつもあなたを気にかけていますよ。変化に気づきましたよ」というメッセージになるのです。そのことが、親密さを深めるきっかけになります。「気にかけること」こそが、いちばんの愛情表現ではないでしょうか。だから最初は照れくさくても、練習を積んで「ほめ上手」になりましょう!
あなたの大切な人、身近にいる人のことは、いつもやさしい目で見守り気にかけたいものです。「ほめる」ことによってお互いにポジティブなエネルギーを与え合うことができます。もしかしたら、イライラやけんかが少しだけ減るかもしれません。
参考文献 平木典子とアサーション研究グループ 「心を癒す「ほめ言葉」の本」 大和出版